スーパーシフトをマニュアルトランスミッションに特化した形で作られたのはなぜですか?
ギアオイルはエンジンオイルとはまた違うんだよね。
エンジンとは異なる機構だから。
ギアオイルってミッション(変速機)に使うオイルとデフに使うオイルがありますよね。これってミッションもデフも構造が違うけどギアじゃない?歯車が入っているものをギアって言うから。歯車とLSDやシンクロギアが入っていて「スリップさせる」「スリップさせない」って言う動作の制御をしてるよね?
だけどさ、そもそも構造がまるで違うのにみんな「ミッションオイル」「ギアオイル」っていう体で同じものを使うんだよ。
用途と構造が違うものに同じギアオイルを使うのっておかしくない?って思ったのがはじまりなんだよね。
確かに!
勉強得意な子と得意じゃない子に同じ勉強方法で教えてもパフォーマンスに差はでるの当然だよね。
勉強が得意な子は「こんなの簡単!」って思うだろうし、苦手な子は「めっちゃ難しい~!」って思うのは当たり前。
だったらその子に合わせた先生と勉強したほうがいいよってなるわけ。
学校の授業のようなスタンダードなギアオイルもデルタにはあるけど、スーパーシフトはマニュアルトランスミッションに特化したから、個別指導の塾講師に近いのかな?
その車のパフォーマンスを最大限に伸ばしたいと思うからね(笑)
車が子供でドライバーが親のように感じてきました。でも真の親ってオイル開発した人ですよね?
そうかもしれない!!!(笑)普通のオイルの技術者は「ギアとか色々な構造物が正しい状態で正常な動作する時に初めてオイルの性能が発揮できる」こんな風に考えると思っている。
だから、ギアに不具合が生じて入りづらくなった時にギアオイルでどうにかしようなんて思わないで欲しいって考えていると思うよ。
だけどユーザー層の考え方は違う。
「不具合あるならミッション直しなよ!」って言ってもミッションのオーバーホールが必要ってなるとやらないし、そっくり買い替えるとしたら高額になっちゃうでしょう?
愛車を持つ親としてそこは悩ましいわけです。
そういう相談がお客さんの中でも多かったのですか?
フナッツに入庫する車のオーナーって言うのかな?お客さんはサーキット走行する人が多いから「ギアが入らない問題」で駆け込んでくる人も多かったんだよ。
中には「オイルで何とかならないの?」って質問してくるお客さんもいたよね。
やっぱりそういった相談をされたらねぇ…探求心に火がついちゃうんですよ。(笑)
それでマニュアルトランスミッションに特化したスーパーシフトが出来たんですね!
そうなんです。
やはり同じ課題を抱えてるユーザー層が一定数駆け込んでくる工場ですからね。
問題解決型の製品作りには事欠かないでしょう!
でも、ただ一つ注意点があるんです。
保管方法ですか?
そこじゃないんだけど…
ギアオイルって粘度が高いんですよ。
だから入り込んでいるものをやすやすと落とせない。
例えばさ、焼肉食べた後の皿って冷えて固まると油落とすの手間かかるけど、ドレッシングくらいなら簡単に落とせるでしょう?ギアオイルの粘度の高さってそういうイメージ。
だから、デルタのギアオイルに限らず、他のメーカーさんのギアオイルにも同じことが言えるんだけど、今までと違うギアオイルを試したいなと思ったらオイル交換3回くらいまではその新しいオイルを使った方がいいんだよね。
元々のオイルがギアの隅々で冷えて、粘度の高い状態でくっついているからなかなか取れにくい状態で、オイルを違うものにしようと思っても純度高く新しいオイルの状態にはすぐにならない。
初回の交換で7:3の割合くらいになるとは思う。次回で8:2~100%には近づくよ。
入れ替えたオイルがゆっくりと古いオイルを落としながら切り替わっていくんだよね。
3回くらいギアオイルを交換した時に初めて「これ良いわ~!」って体感する基準になりますね。
そうそう!ギアは分解して洗剤で一回全部落として~なんてなかなかできるものじゃないから、パフォーマンス100%引き出すには最低でも3回くらい同じオイルを使ってほしいなと思っています。
ある程度入れかえをして体感があまりスムーズに感じられなかったとしても「や~めた!」って判断はしない方がいい!
商材迷子、ギアオイル迷子にはならないように先ずは3回交換まで待つべし!